君とアイツは…

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あ、下向いちゃった。 本当は宮原に用があったけど… 気がついたら美鶴…じゃない、芦川に見とれていた。 (別人別人、ミツルと芦川は全くの別人!!) …なんて、ただのごまかし。 幻界にいたときのミツルと、今目の前にいるアシカワミツルは同じ人物。 僕だけが、知っている。 「おーい、宮原ーっ」 何となく涙が出そうになった。 ソレを無理矢理拭うと、(両手を筒にして)宮原を呼んだ。 宮原と話しているときも、時折芦川の姿が見える。 たまに、声、も。 (あの声でもう一度、) 呼んでほしい、僕の名前を。 『亘』と、呼んでほしい。 もう一度、その声で…。
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