私の住む街

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私は生まれた頃から住んでいる見慣れた街の一角に、絵本で見る様な別世界の建物を思わせる綺麗な装飾の店を見付けた。 その店の看板には「万屋(よろずや)」と書かれてあった。 私、 高橋樹里(タカハシジュリ)は生まれて17年間この街を離れて暮らした事は旅行や祖父母を訪ねる事位だという程あまりこの街を離れた事は無い。 結構都会で、珍しい事にすぐそばにほとんど人の手が加えられていない広い森もある。 「神の住む森」と言い伝えられていたりするし、環境保護の団体のおかげでもあるそうだ。 特に離れる理由も無く、環境も観光客がたまに訪れる程良い方で、何より私の故郷(ふるさと)だからきっとあまり離れたくないという思いがあるのかもしれない。 「樹里っ⁉何ぼ~っとしてんの⁉」 「へっ?…あっ‼ゴメンっ‼💦」 どうも窓の外を見ているうちに授業が終わっていた様だった。 「うわ~…何分ぼ~っとしてたんだろ💦」 時計を見ると最後に見た時間から15分近くは経っていた。 「本当先生に気付かれなくて良かったね~💦」 この子は私の幼馴染みの松雪詩織(マツユキシオリ)。 母親同士が中学からの親友で、生まれた頃からずっと一緒だ。 「こんなにぼ~っとしてたの多分初めてだな~💦」 「珍しいね~。」 今日は土曜日で午前中授業。あと少しでHRが始まるだろう。 「学校終わってからお昼食べに行こ~よ。」
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