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その男の顔を見てみると
「あんた…霞 桐哉!!」
そいつはきんきらきんの金髪で学校で結構有名な財閥の男だ。
それを狙って近寄る女も少なくないはず
しかもお人好し、天然で不思議な魅力があるとの事。
「それがどうしたんだ?」
「それがどうした…って…なんでこんな所にいるのよ?」
「…んーサボりかな?」
はははっ
と八重歯を見せながら笑う彼に少しドキッとする。
「それより!!なんでさっきあんな事したの?」
さっきとは違う、いたって真剣な顔。
「…テストで…悪い点取ったの…」
すると彼は驚いたような顔をして、
「たったそれだけで!?ちなみに何点?」
「990点…」
我が慶城学園は10教科のテストを受ける事ができ1000点満点だ。
「ちょ…凄いじゃん!!」
「だめなの…だってお母様に怒られちゃうもん…」
彼は不思議そうな顔で私を見つめる。
「お母様に怒られるのがそんなに怖いの?」
「うん…」
「だって…悪い点っ取ったらっ殴られ…るんだ…もんっ…」
何故か涙が溢れた。
するとフワッと私は彼に包まれた。
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