第一章:初冬

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それはちょうど11月の中旬。秋の物寂しさはとうに薄れいつ雪が降ってもおかしくはない寒い日が続いていた。むしゃくしゃしていた俺はぼーっと街をふらついていた。街は賑やかで行き交う恋人達は皆幸せそうに寄り添って歩いている。最後に彼女がいたのはいつだろうか。最近は仕事仕事でそんな暇がなかった。そのせいだろうか、凄く羨ましく感じた。「こっちはろくに飯も食ってねぇんだぞ…ちくしょう…」心の中で叫んだ。それを嘲笑うかのように恋人達は幸せそうにしていた。
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