最終章:桜

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最終章:桜

-数カ月後- 「行ってきます」。俺は会社に行く前雪奈の写真に挨拶をするのが日課になった。外はすっかり冬の寒さを忘れ春になっていた。休日には公園に行く。公園には綺麗な桜が咲いていた。「春になったら一緒に桜見に行きたいね」っと言った雪奈を思い出していた。仕事では相変わらずミスが多く怒られ、むしゃくしゃしている。そんな時俺は街に行く。死ぬ場所を探すためではない。また雪奈に出会える事を願い今日も街に行く。もう出会う事はないのはわかっている。でも、また出会える気がしていた。もう死にたいとは考えない。生きる喜び、楽しさ、幸せ、価値を教えてくれた人がいるからだ。その人に心から伝えたい言葉がある。 「ありがとう。愛しています」
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