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高木店長にそう言われて、少しだが笑顔になった。
『お客様があのドアを開けて、入ってきた瞬間に軽く会釈して笑顔で大きな声で《いらっしゃいませ》、帰られる時は、椅子を立ってから出口を出るまでの間に《ありがとうございました》って元気よく挨拶するんだ、わかるかな?』
『はい。』
『じゃあやってみて。』
『はい。』
えっ~、いきなりじゃあ出来ないよ、と思いつつ、ヒカルはお客様の来店を狙いタイミングよく挨拶してみた。
『いらっしゃいませぇ』
するとその場を見ていた高木店長が
『そうそう、その調子、声もよく出てるし、タイミングも良かったよ』
『はい、ありがとうございます。でも、まだまだなんで、頑張ります。』
その後は、どこに何があるのか、物品位置や備品の名前と役割、ルールの説明など、事細かく高木店長より話があり、2時間という時間はあっという間に終わろうとしていた時だった。
最初の勤務時間も残り少しとなり、
『佐々木さんは明日は来れる?』
『はい、大丈夫です。』
『じゃあ明日は…、15時から17時まで。』
『はい、わかりました。』
『それじゃあお疲れ様。佐々木さんは、やる気があって、物覚えがいいね。』
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