架空大学創作研究室

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さて、室内にいるのは二人。 女性と男性が一人ずつ。彼等はこの研究室に属している。 中央のテーブルで画面を前にして、話し込んでいるようだ。 否、話しかけているのは女性で、男性は相づち程度の返事。 だが、よくよく聞くと、時折、辛辣なことを言っている。 「だから、ガクくん。それじゃわからないんじゃない」 「ボクの名前は、マナブだ」 「うんうん、そんなことはいいけど、その紹介文はどうかと思うよ」 「・・・どうかしてるのは、キミの頭だ」 「なんですって」 彼女の名前は、文。彼の名前は、学。すごく分かりやすい設定であるが、幼なじみで隣家同士。もちろんこれは、親の代から友達付き合いがあるからだ。 活発で社交的な文に対し、学はどちらかというと消極的だ。必然、会話のリードは文になる。 「全然イケてない」 「本編は良い出来だ」 「だから、それをアピールしなきゃいけないわけでしょ」 「読めばわかるよ」 「でもその前に、選んでもらわないと」 「選んでくれた人だけでいい」 「そうじゃなくって」 ・・・話の噛み合わない二人。
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