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「・・・やあ、おはよう」
「先生、もうすぐ夕刻です」
「ああ、そうだったかな。時間が過ぎるのは早いね」
「昨日と特に変わりません」
「あ、ははは。アヤくんは手厳しいな」
文に冷たくいなされた創作のことを、学は助けようと思ったのか、彼には珍しく、二人の会話に割り込んだ。
「先生、書き終わりました」
「はい? ああ、ええ、ええ、マナブくんの書きかけの小説のことですね。どうですか、もう投稿したのですか?」
・・・学、不覚。やぶ蛇をつついたようだ。
「そう、それなんです、先生」
「え、何かね、アヤくん」
「ガクくんが、紹介文をないがしろにするんです」
「だから・・・マナブだって・・・」
「ふむ。マナブくんは、紹介文が苦手なのかね」
「えっと・・・はぁ」
というか、早く眠りたいんです、と学は言いかけたのだが、文の視線を感じ、それは言わずに飲み込んだ。
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