0人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
何か思いついたのか、口火を切ったのは、やはり、文だった。
「情報源・・・情報を得るため、ではないですか」
「うむ。それは、読み手からしたらそういうことだね。たくさんの本を読んでいる、アヤくんらしい答えだ」
創作の素直な誉め言葉に、文はにっこりと微笑んだ。すると、創作は、今度は学に照準を合わせて問うてきた。
「では、マナブくん。書き手としてはどうかね?」
「そうですね・・・」
面倒くさいもの・・・とは言えないよな。さすがに先生の前で。何のためか。何だろう。誰かが書いてくれればいいな、と思うもの?
いや、違うだろうな。困ったな。何も浮かばない。
「えっと、紹介・・・する文」
「そのままじゃないっ」
速攻で文のツッコミが入る。
「あはははは。まぁ、そういう意味で出来ている言葉だね、確かに。じゃあ、何を紹介するのかな?」
「作品」
「ガクくん、いつからそんなに無口になったの?」
キミのせいだよ、と言いかけ、学は慌てて、その言葉を飲み込んだ。
「まあまあ。アヤくん、核心には、ちょっとずつ、近づければいいものだよ。ということで、マナブくん。どうして作品を紹介するのかな?」
最初のコメントを投稿しよう!