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外観に比べ室内はそれほど散らかってはいなかった。ただとにかく大きな屋敷で、部屋数はかなりある。確かに掃除は大変そうだ。
「二階は主に寝室だ。わたしの部屋には出入りするな。一番奥の部屋だ」
階段を登り、朽木は廊下の右奥を顎で差した。そして階段を登ってすぐのドアをノックする。
「レイジ、起きろ。今日から来てもらうことになったハウスキーパーだ」
どうやら朽木には家族がいるらしい。
ドアが開き、寝起きの顔を覗かせたのは、やけに綺麗な顔立ちをした男だった。
「弟のレイジだ」
レイジはじっと、護の顔を見つめ、ゆっくり視線を落とした。
染めているのかレイジの髪は金髪だ。天然なのか非天然なのかクルクルフワフワしている。肌の色も白いし、瞳はグレーに近い。金髪もグレーのコンタクトも初めてだ。
「いっちやん、こいつ、男じやん」
「だから? 決めるのはお前じゃない。ユーゴだ」
「ちぇっ! 可愛いメイド服用意しといたのに」
「ユーゴに着てもらえ」
「お子様には興味ないよ。寝る」
バタンと閉められたドアの前で、護は瞬きしていた。どうやら彼には気に入ってもらえなかったようだ。
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