始まりを告げる針の声

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「これで始業式を終わりにしたいと思います。一同起立、礼。 この後は各自後ろに張ってる新しいクラスの確認をして、教室で担任から明日の連絡事項を確認するように。いいな?解散」 そんなマイク越しの声をレナはボーっと聞いていた。 そう、あれからレナは、時計をポケットにいれて学校の始業式に出ていたのだ。 声に反応した生徒達はぞろぞろと一斉にクラス発表の紙を見に行ってるようで、悲鳴にも似た声が体育館を覆いつくした。 しかしそれもものの数分。 ようやく減っていく団体を見て、レナはようやく動き出した。 確認したクラスまで歩き始める。 前からは大勢の笑い声。 ――もうどうやって友達を作ってたかなんて忘れてしまってた。 レナの靴が床を踏む音が寂しく廊下に響いてる。
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