始まりを告げる針の声

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レナも小さく微笑むと、美味しく朝食を平らげた。 「ごちそうさま 美味しかったよ」 「じゃあ行ってらっしゃい」 きっちりと食器を片付けると母親に見送られてレナは靴を履きに玄関に向かう。 トン トン その後ろから階段を降りてくる音。 「もう行くのかよ?」 まだ寝ぼけたような安定しない声がレナの背中にかけられた。 その言葉を発した人物はレナの弟の”津吉”【つよし】 とても背が高くて優しくて、遊ぶの大好きなくせに根が真面目で黒髪。 『染めよかなぁ』なんて言ってるくせに絶対染めない。 凄く親の事大切に思ってるのが伝わってくる。 もちろん私の事も凄く大切にしてくれてる。 そんな津吉は、学校外のサッカークラブに所属してる。 自慢の弟。
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