始まりを告げる針の声

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「うん。ガリ勉君は、真面目を演出しなきゃだから」 なんて私は言いながら眼鏡をくいっと持ち上げるふりをした。 それを見た津吉は、ぶはって効果音を付けて吹く。 「へぇ へぇ行ってらっしゃい。あんま無理すんなよ?ガリ勉強君?」 そして一言がコレ。 吹くことないのに…… そう思いながらも、私は笑ってドアを開けた。 本当は、家を早く出る理由はそんな事じゃない。 レナは両手を空に向かって突き出して、背伸びをした。 そう、こんなに早く出るのには もっと特別な理由がある。 それは私の『秘密の場所』 に行くため
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