始まりを告げる針の声

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学校には歩いて二十分ぐらいで着く。 遠いと言われればそうかもしれない。だけど今では、嫌だと思わなくなった。 私の住んでいる所は、少し変わってて、学校近くに行けば、物凄く都会で、ビルも駅も人も、溢れかえっている。 だけど少し私の家の近くまで来れば、木とか沢山あって、自然が結構残っている。 そんな土地状況だから、あるのかもしれないけど ここには私の【秘密の場所】がある―― それは 学校への道を少し回り道すると出てくる、山。 どうしてか、山がある。 細い細い一本道が山の上まで続いている、そんなひっそりと木々に囲まれている場所で、もう今は手入れされていない。 だけど、ここにはあるモノがあって、だから私の秘密の場所。 私は道のない場所を進んで入っていった。 少し木々のせいで薄暗くて、涼しくて 気持ちよくなる。 坂道っていうのが苦痛だけど。
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