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天気は快晴で、風もなく、まさにドライブ日和だった。
「どこに行くつもり?」
夜勤明けの眠気など全く感じないくらい、潤は浮かれていた。
「リクエストが特にないなら、おれの行きたいところでいいか?」
「勿論。疲れたら言って。運転代わるから」
「夜勤明けで寝てない上に、初心者マークつけてるやつの隣になんか乗れねぇよ」
「ひっでぇ! これでも結構、上手いんだからな!」
「今度乗せてもらうよ。来年の夏にでも」
「絶対帰りは運転してやる」
「いいからお前は少し寝ろ。着いたら起こしてやるから」
そう言われても寝てなんていられない。
初めてのデート。
初めてのドライブ。
昨日仕事が終わってから散髪に行ったと言う大澤は、さっぱりした髪型になり、男前度がアップしている。
さらには白いシャツにモカブラウンの皮のジャケット、サングラスと、モデル張りにキメているから、潤は大人しく眠ることができずにいた。
(やべぇ、ちょーカッコいい)
こんなことなら潤ももっと洒落込んでくればよかったと、ちょっと後悔した。普段着のプルオーバーにジーンズでは、やけにガキ臭く見える。
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