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大澤の手がシャツの下へと忍び込み、直に肌へと触れてくる。
大澤の大きな手で撫で回されると、段々息が上がってくる。それくらい気持ちがいい。
撫で回しながら、慈しむようにあちこちキスが施されると、もう他のことは一切頭の中から消え去ってしまう。
胸に触れる無造作に伸びた髪に指を絡ませたところで、大澤の動きが止まった。
「…何?」
「電話。携帯が鳴ってる」
大澤はすぐに身を起こし、ベッドルームを出て行った。
その着信音で潤にもどこからかかってきた電話なのか、すぐにわかった。
病院からだ。
潤もしばらくして起き上がった。
なかなか大澤が戻って来ないからだ。何だかその気が失せたせいもある。
大澤は携帯をテーブルの上に置き、一服していた。
「病棟から?」
「ああ、術後の患者で腎不全気味な人がいてな。利尿剤増やして、1時間後の尿量、また電話しろって言った」
「…じゃあ、ご飯にしよっか?」
「ごめんな」
「別にいいって」
「泊まってくだろ?」
「あんた明日朝から仕事じゃん」
「平気だ」
大澤はそう言うがかなり疲れた顔をしていた。もう丸2週間、休みを取っていないのだ。
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