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潤だって男同士のそんな行為に詳しいわけではない。ただ大澤と向き合うことを決意したとき、そのことに関しても覚悟したつもりだ。
でも大澤は一向に求めて来ない。何か重大な思い違いでもしてるんだろうかと、気になっているのだが、こんなこと相談できる相手がいない。
「おれ、魅力ないんでしょうか?」
月曜の昼休み。思い余った潤は、結局丸岡に相談していた。
「どうなんだろう。くらちゃんがいいやつかどうかならわかるけど、じゃあ、くらちゃんを抱けるかって聞かれたら、おれは無理って答えるね。そもそも、おれとあいつのそそられるツボは別物だから」
「ですよね。変なこと聞いてすみません」
「あいつに聞いたらいいじゃない。もしかしたらこれまでだって、そういう行為しかしてないのかも。ゲイだからって、みんながやってるわけでもないんじゃない?」
「…そんなはずない」
「どうしてそう思うわけ?」
「…三崎さんとはしてたから」
「三崎は三崎、くらちゃんとは違う。くらちゃんはくらちゃんらしく、あいつと付き合っていけばいいんじゃないかな? 比べることも嫉妬することもない。そうだろ?」
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