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真は、友達の哲平と忘れ物を取りに夏休みの学校を訪れていた。
「真は進路決めたのかよ。」
哲平は、必死に机の中を漁ってる真に話し掛けた。
「俺は、とにかく卒業出来ればいいや。お前は?」
「俺は親父の仕事継ぐよ。しつこく言って来るんだ。」
「お前の親父って大工だっけ?」
「ああ。」
真は机の中から教科書を引っ張り出した。
二人が教室を出ようとした時、一人の少年と鉢合わせになった。その少年は、真と哲平を見ると突然おどおどし始めた。
「タクじゃん。」
真は、奇妙な笑いを浮かべながら言った。
「お…おう。」
下を俯きながら返事をした。
少年の挙げた手は少し震えていた。
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