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当時UFOキャッチャーの出初めくらいで、
お客や友達がくれて家にぬいぐるみが沢山あったね。
君は、ベッドに綺麗にぬいぐるみ達を寝かせて、
君自身はベッドの横に寝ていたね。
寂しいかったんだよね。
ある日、初めて君は言った。
『仕事にいかないで~』
ちょっと、びっくりしたが、
化粧をしながら
私『ダメ』
君『僕が、大きくなったら、働いて返すから、行かないで……』
鏡越しに君を見た。
息を堪えて、大粒涙がポロポロと落ちている。
元々、聞き分けが良かったから、私はびっくりした。
爆発寸前だったのだろう。
まだ、君が4歳前の時の話だ。
相当、我慢させていたんだね。
君を見てると私まで泣けて来て、二人で、ワンワン泣いた。
私は中学生になるまで両親や、沢山の兄弟がいて毎日、兄弟を邪魔に思ったりしていた。
けど、君は邪魔に思う対象もなく常に、一人で、寂しいというより、君の中では普通の世界なのかもしれないけど常に一人だから、寂しいのが当たり前になってたね。
私が、そうさせていたんだね。
そんな事が続いて、福岡へ帰ろうと、決心したんだよ。
君が6歳、幼稚園でいう年長さんの時、私自身の色恋沙汰にも疲れてしまったから…
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