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日が暮れると小十郎は約束通り手持ちの花火を持って政宗の元にやってきた。
「政宗様御約束通り、花火をお持ち致しました。」
その言葉に政宗は読んでいた書物を横へ押しやった。
「待ち侘びたぜ、小十郎。早速やろうぜ。」
政宗はいそいそと立ち上がり、小十郎の袖を引いた。
こんな子供のような仕種に小十郎は内心ほほ笑んだ。
今でこそ奥州筆頭、独眼竜等と呼ばれているが昔は気の小さい、内気な子であった。
その頃はあまり笑うことが無かったが、
今はこうして笑っている。
昔笑わなかった分今笑うのだろう。
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