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「…う、ぅーん…」 「あ、ごめん…起こしちゃった?」 重い瞼を上げる沙羅。 しかし、窓から射し込む光の眩しさに再び目を瞑ってしまう。 「侑希…今何時?」 「7時だよ。そろそろ支度したほうがいいかもっ」 今開けたばかりのカーテンを閉めて日射しを遮ると、侑希は手早く着替えを始める。 「…そっか」 …言わなきゃ。 本当は昨夜、すぐに話そうと思っていたのだが… 南都と別れ沙羅が部屋に戻った時には、もう既に侑希は眠ってしまっていた。 言うなら今しかない。 南都との事、侑希に隠すわけにはいかないから。 沙羅は深く息を吸うと、緊張する気持ちを落ち着かせるようにゆっくりと吐き出した。 …そして、意を決して顔を上げる。
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