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「とりあえず進もっかぁ。ここで止まっててもしょうがないし♪」
薫太は物音がしようが、悲鳴が聞こえようが…全く動じていないよう。
それとは反対に沙羅はびくびくと怯えながら進んでいく…
「ほらっ」
そんな沙羅に、おもむろに差し出される手。
「掴まれよ。少しは怖くなくなるだろ?」
「いいのっ?」
「いーよ。それにこの状況でくっついてても、イチャつくなーって言われないだろーし?」
不敵な笑みを浮かべる南都。
なんか引っ掛かるけど…ここは甘えておこう。
なにより怖くて進めない。
「ありがとっ」
素直に南都の腕に掴まると、少しペースを上げて歩いた。
診察室、病室、霊安室…
様々な部屋を通り抜け、あと少しで出口、という所で…
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