22/22
前へ
/282ページ
次へ
「わかってるよ、そんなの」 そう、南都がどれだけ沙羅を想っているか… そんなの痛いほどわかる。 だって、南都の一番近くにいたのは自分だから。 …だから辛いんだよ。 でも…きっと南都も同じ気持ちなんだと思う。 いつもふざけてるけど、本当は凄く優しいヤツだから。 「譲らない。欲しかったら奪ってみろよ」 不敵に笑う南都。 ほら、まただ。 「諦めろ」って言われるのがキツいってわかってるから。 だからそうやって… 「そのつもり。…ちなみに沙羅の初ちゅー、俺だから♪」 薫太も同じように笑うと、捨て台詞を残し足早にみんなの元へと戻って行く。 「なっ???!!!嘘だろ?!」 その後ろ姿に南都は悔しそうに声をあげたが…とてもスッキリした表情をしていた。
/282ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加