shelter

Ⅸ

「はいはーい。ストップ！毎回毎回喧嘩して…よく飽きないよねぇ」

薫太は呆れたように言うと、南都から沙羅を強引に引き離す。

「こんなのほっといて、あっちで俺らと話そ♪」

「「こんなの??!!」」

南都と和哉は同時に眉をひそめてみせた。

侑希と湊斗はそんなやりとりに、顔を見合せて笑う。

これが最近よくある光景だ。

「沙羅ー放課後うち来いよ」

チャイムが鳴り各自教室へ戻っていくと、隣の席で膨れっ面をしている南都。

「ここは邪魔者が多いっ!!」

どうやら相当苛々が溜まっているようだ。

「そういえば、南都の家ってあんまり行った事がないね」

今も昔も、集まるのは薫太の家が多く、あまり行った記憶がない。

確か凄く広くて、綺麗なマンションだった気がするけど…