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「お邪魔しまーす…」 ここに来るのは9年ぶり。 『行きたい』と言うと機嫌を直してくれた南都に連れられて、やって来たマンション。 沙羅は会う事になるであろう南都の母を想像し、少しドキドキしながら一歩踏み出す。 「あ、誰もいないから気使わなくていーよ」 「えっ??!!」 驚いて後ろを振り返ると、南都は肩をすくめて笑った。 「親は仕事でほとんど帰って来ねーから」 南都のお母さんは、離婚する以前から忙しい人だった。 授業参観も、運動会ですらほとんど来なかったっけ。 いつも仕事で… 「そっか…」 沙羅は安心したような、ガッカリしたような…複雑な気持ちになった。 そして同時に込み上げる、1つの真実。 ってことは南都と2人っきり?!
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