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「来てくれてありがとう」 体育館裏にある、もう古くなり使われていない倉庫。 …そこに沙羅はいた。 「どういうこと…?」 自分が今入ってきたばかりの入口に目をやると、呼び出した張本人の和哉と…見知らぬ3人の男がいる。 「騙してごめんね」 和哉は黒縁眼鏡を外し、にやっと怪しく笑う。 それは今までの愛想の良い和哉からは、とても考えられない表情だった。 沙羅は和哉から、諦めるから最後に2人きりで話がしたい、とこの場所に呼び出されたのだが… 明らかにこれは、そのような状況ではない。 「山下さんに恨みはないんだけどさ。ちょっとわけありで」 一歩一歩近付いてくる和哉から逃げるように、沙羅もゆっくりと後ずさった。
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