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「これからどうなるか…わかりますよね?」
沙羅は触れようとする和哉の手を払い、無言で睨み付けた。
「ちなみに…水嶋南都なら来ないですよ。あいつ今、女といるから」
「…デタラメ言わないで」
「信じられないですか?なら確認してみよっか」
楽しそうに笑い、和哉は誰かに電話をかけ始める。
「もしもーし。今体育倉庫。…うん。電話かわる」
渡された携帯に耳を当てると、そこからまず女の人の声が聞こえてきた。
「もしもし。南都……電話よ」
南都…?
まさか、そんな…
ぎゅっと握り締めた掌に、嫌な汗が滲む。
南都がいるわけない。
そう自分に言い聞かせ、沙羅は息を飲んだ。
だが…
「もしもしっ?!」
今一番聞きたくて…
でも聞きたくなかった。
…南都の声。
それを聞かせると沙羅の手から携帯を奪い、和哉は電話を一方的に切った。
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