1572人が本棚に入れています
本棚に追加
沙羅の居場所がわかるとすぐさま綾瀬を解放し、音楽室を飛び出した。
全力疾走。
一分でも一秒でも早く、辿り着けるように…
好きな人を守るために。
体育の授業ですら走った事のない早さで、目的地を目指す。
「…っ!あれだっ」
体育館裏へ行くと、今はもう使われておらず、滅多に人の立ち入ることのない倉庫が目に入った。
間に合ってくれよ…
沙羅っ!!
「えっ?」
扉が空いている…
まさか…間に合わなかったのだろうか?
そんな……
南都は倉庫に近付き、扉の隙間からそっと中を覗く。
その瞬間、全身から力が抜けていくような感覚に襲われた。
なんで?
最初のコメントを投稿しよう!