side 南都

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沙羅の居場所がわかるとすぐさま綾瀬を解放し、音楽室を飛び出した。 全力疾走。 一分でも一秒でも早く、辿り着けるように… 好きな人を守るために。 体育の授業ですら走った事のない早さで、目的地を目指す。 「…っ!あれだっ」 体育館裏へ行くと、今はもう使われておらず、滅多に人の立ち入ることのない倉庫が目に入った。 間に合ってくれよ… 沙羅っ!! 「えっ?」 扉が空いている… まさか…間に合わなかったのだろうか? そんな…… 南都は倉庫に近付き、扉の隙間からそっと中を覗く。 その瞬間、全身から力が抜けていくような感覚に襲われた。 なんで?
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