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南都の視線の先には…
乱れた衣服を身に纏った沙羅。
そして……
沙羅を抱き締める湊斗。
「なんで湊斗がいるんだよ…」
南都は足が地面にくっついてしまったかのように、その場に立ち尽くしていた。
「俺が守るから…」
そう囁くと湊斗はより一層抱き締める力を強める。
「ひっ…く……みな、と……みなと………」
泣きじゃくり、沙羅は湊斗の名前を呼び続けてる…
南都ではなく、湊斗を。
南都はそんな光景から目を背けたくなった。
何も出来ない。
本当は今すぐ沙羅を抱き締めたいのに…
大事な人すら守れない自分が情けなくて。
「ごめんな…」
小さくそう呟き、南都はその場を静かに立ち去った…
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