side 南都

8/8
前へ
/282ページ
次へ
「な、に言って…」 「もう合わす顔ねーよ」 力なく笑う南都。 自分でもわかる。 きっと今、すごく泣きそうな顔してるんだ。 …らしくねぇな。 さっきの光景が、目に焼き付いて離れない。 沙羅は…今どんな気持ちでいるのだろうか? 南都は机に肘を置いて俯くと、両手で頭を抱えた。 「とりあえず…沙羅は、無事なのね?」 「…うん」 「そう…よかった」 侑希はなんとなく状況を察してくれているようで…それ以上何も聞こうとはしなかった。 正直、有難い。 「ねぇ、水嶋…」 たがしばらくの沈黙のあと、侑希はおもむろに立ち上がった。 そして何を思ったのか、後ろからそっと南都を抱き締める… 「あたしが………」
/282ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加