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「な、に言って…」
「もう合わす顔ねーよ」
力なく笑う南都。
自分でもわかる。
きっと今、すごく泣きそうな顔してるんだ。
…らしくねぇな。
さっきの光景が、目に焼き付いて離れない。
沙羅は…今どんな気持ちでいるのだろうか?
南都は机に肘を置いて俯くと、両手で頭を抱えた。
「とりあえず…沙羅は、無事なのね?」
「…うん」
「そう…よかった」
侑希はなんとなく状況を察してくれているようで…それ以上何も聞こうとはしなかった。
正直、有難い。
「ねぇ、水嶋…」
たがしばらくの沈黙のあと、侑希はおもむろに立ち上がった。
そして何を思ったのか、後ろからそっと南都を抱き締める…
「あたしが………」
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