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「おじゃまします…」
ここは湊斗の家。
さすがに汚れた制服のままでは帰れない。
沙羅は鷺ノ宮高校の卒業生である、湊斗の姉の制服を貰う事にしたのだ。
湊斗の両親は共働きのため、今は不在。
姉も大学からまだ帰っていないようだ。
「姉ちゃんの部屋見てくるからここにいて」
沙羅を自分の部屋に案内すると、湊斗はすぐに部屋を出た。
1人になり、沙羅の頭に思い浮かぶのはやはり…
南都は、今誰といるのだろう。
何をしてるの?
どうして…………
襲われた恐怖よりも…南都が来てくれなかった事の方が、ショックは大きかった。
鳴らない携帯。
南都からの連絡は未だ何もない。
一度は止まった涙が再び溢れ出してきてしまう…
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