1572人が本棚に入れています
本棚に追加
「…俺じゃだめ?沙羅の傍にいるの」
「えっ?」
真剣な眼差しで見つめる湊斗。
突然過ぎて、沙羅には意味がよくわからなかった…
が、次の言葉で状況をはっきりと理解する事が出来た。
「こんな時に言うなんて卑怯かもしれないけど…。好きだよ。子供の頃から、ずっと」
「湊斗…」
「俺なら、絶対に沙羅をこんな風に泣かせたりしない」
湊斗は沙羅を優しく包み込む…
その温もりは南都とは違う、安心感を与えてくれた。
だけど…
「あたしは…」
それでも、やっぱり南都が好きなの。
信じたいって思ってしまう。
「…俺がいることも忘れないで」
何も言えずに俯いた沙羅の瞳から溢れた涙をそっと拭い、湊斗はその唇に自分の唇を重ねた。
最初のコメントを投稿しよう!