ⅩⅠ

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「沙羅は辛い事があると、いつもそうするだろ?」 湊斗に送ってもらい帰宅した沙羅は、部屋着に着替えてすぐにベランダへ出た。 小さい頃から、何かあるとこうして星を眺めている。 何だか、心が洗われるような気がして… 「パパには言えないか?」 「……ごめん」 言えない。 レイプされかけたなんて。 南都とだめになってしまうかも、なんて… そんな事、言えるわけがない。 沙羅はただ黙って俯く事しか出来なかった。 「そうか…でもな、待ってるだけじゃだめだ」 涼は沙羅が握りしめる携帯を指差して言う。 「自分から動かなきゃ何も始まらないし、何も変わらないよ」
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