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自分から、動く。
「……そう、だよね」
沙羅はいつも受け身になりがちだった。
でも、怖がってばかりでは前に進めない。
「パパ…ありがとっ」
沙羅は少しだけ、心が晴れた気がした。
涼に礼を言うと自室へ戻り、携帯の画面に南都の番号を表示する。
あとは発信ボタンを押すだけ…
意を決し、親指に力を入れた。
『―おかけになった電話は電波の届かない………』
「…繋がらない」
どうしよう…電話がだめならメール送っといた方がいいよね。
気を取り直しメールの画面を開いた、その時だった。
~♪~♪~♪
「わっ…」
電話の着信を告げる携帯。
ディスプレイには知らない番号が表示されている…
不審に思いながらも、沙羅は恐る恐る通話ボタンを押した。
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