ⅩⅠ

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「……もしもし」 「沙羅ちゃん?わかるかな?」 あまり聞き覚えのない声。 だけどどこかで… 「綾瀬由貴那よ」 「っ??!!なんでっ…」 「ちょっと話がしたくて…少し外に出れないかな?」 急になぜ… 一体何の話があるというのか。 「今、沙羅ちゃんの家の前にいるの。見てもらえばわかると思うけど、あたし1人よ」 部屋の窓から下を覗くと、確かに綾瀬はそこにいる。 「…わかった。ちょっと待ってて」 沙羅は電話を切り、簡単に着替えてから綾瀬の待つ場所へと向かった。 不安。 だけど逃げたくない… 「話って??」 「まずは今日の事。気付いてると思うけど…」 今日の事。 と言って思い浮かぶ事なんて1つしかない。
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