ⅩⅡ

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「沙羅!!」 朝、いつもより遅めの登校。 沙羅の姿を見付けるなり、侑希は勢い良くその体を抱き締めた。 「ごめんっ…ごめんね。怖かったよね?あたしがもっと早く気付いてれば…」 その声は少し震えている。 どれだけの心配をかけてしまったのだろう… 侑希と薫太もあの時、自分を探してくれていた事を湊斗が教えてくれた。 沙羅はみんなの優しさに、涙が出そうになるのを必死に堪える。 「侑希のせいじゃないよっ。ありがとう…みんながいたから、無事だったんだよ?」 あの時、湊斗が来てくれなかったら… そう考えるとゾッとする。 「水嶋とは…大丈夫?」 抱き締めた体を離すと、侑希は躊躇いながらも尋ねた。
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