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「沙羅!!」
朝、いつもより遅めの登校。
沙羅の姿を見付けるなり、侑希は勢い良くその体を抱き締めた。
「ごめんっ…ごめんね。怖かったよね?あたしがもっと早く気付いてれば…」
その声は少し震えている。
どれだけの心配をかけてしまったのだろう…
侑希と薫太もあの時、自分を探してくれていた事を湊斗が教えてくれた。
沙羅はみんなの優しさに、涙が出そうになるのを必死に堪える。
「侑希のせいじゃないよっ。ありがとう…みんながいたから、無事だったんだよ?」
あの時、湊斗が来てくれなかったら…
そう考えるとゾッとする。
「水嶋とは…大丈夫?」
抱き締めた体を離すと、侑希は躊躇いながらも尋ねた。
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