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「…連絡とれないの」
綾瀬と話したあとメールを送ったが返信はなく、沙羅は眠れぬ夜を過ごしたのだった…
「あいつ…」
侑希は、はぁ…と重く溜め息を漏らした。
何か事情を知っていそうな、そんな素振り。
南都の事、何か知ってるの?
そう尋ねようと口を開けば、それは背中からきた衝撃で遮られてしまった。
温かい腕の中に収まる体。
「無事で……良かったぁ」
背後から抱きついてきた薫太は安堵の息を漏らす。
震える腕。
「心配かけてごめんね…」
沙羅は自分を強く抱き締める薫太の腕をぎゅっと握った。
ふと顔を上げると、湊斗が2人を優しい眼差しで見つめている…
いつもと同じ光景。
ただ一つ、南都がいないという事を除けば。
南都はこの日、学校には現れなかった。
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