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ガチャッと鈍い音を立てて扉を開くと、同時にふわっと暖かく心地よい風が吹き抜ける。
そして眩しいくらいの太陽の光に、沙羅は思わず目を細めた。
春の陽気が気持ちいい…
そんな時、ふと屋上の端の方…フェンスの辺りに寝転ぶ男の姿が目に入った。
人いたんだ…寝てるのかな?
ぽかぽかしてるし。
そう思い近付いていくと、沙羅の存在に気付いたのか…男はゆっくり起き上がった。
「ごめんなさい…起こしちゃいました?」
申し訳なさそうに言うと、男はいかにもだるそうにこちら見つめてくる。
絡み合う2人の視線…
もう、どれくらいこうしているのだろう。
数分…
いや、数秒?
正確な時間はわからないけれど、とても長く感じる。
でもどうしてかな?
不思議と目が離せない…
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