side 湊斗

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「はぁ…」 湊斗は下駄箱から上履きを取り出し、靴を履き替える。 その頭の中はもちろん沙羅の事でいっぱいいっぱい、溜め息ばかり。 ただならぬ自己嫌悪。 謝りに行ったのに、再びキスしてしまったというオチ… また沙羅を困らせてしまった。 そんなどんよりしたオーラを漂わせながら教室へ足を運ぶ。 扉に手をかけ、今まさに開けようとしたその時… 「みーなとっ♪」 後ろからバシッと思いきり背中を叩かれ、バランスを崩した湊斗は扉に地味に頭をぶつけた。 「な、なんだよ渉…」 じんじん痛む額に手を当て、自分をこんな目に遭わせた人物を睨む。 そんな事お構い無しにニコニコと楽しそうに微笑む男… 雪城渉(ユキシロワタル)。
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