ⅩⅢ

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「水嶋は今日も休みか?」 朝のHR中。 出席を取る宮川先生は名簿を手に、生徒たちに尋ねている。 「あ、俺さっき廊下で見掛けましたよー?」 「まったく…やっと真面目になったと思ったのになぁ」 クラスの男子から話を聞くと、先生は頭をぽりぽりと掻き深く溜め息をついた。 …またサボりだろうか。 でも、沙羅は内心南都がいなくてほっとしていた。 昨日の今日でどんな顔をして会えばいいのか、朝からずっと悩んでいたから。 「……疲れた」 沙羅は机に顔を伏せ、窓の外の綺麗な青空を眺める。 短期間にいろんな事がありすぎて、頭が追い付いていかない。 「何が?」 「へっ??」 ぼーっとする意識を戻して顔を上げると、侑希がそんな沙羅を眺めていた。
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