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「水嶋…どうしたんだろうね」
うなだれる沙羅に、侑希は困ったように微笑んでいる。
…侑希にも話さなきゃ。
たくさん心配かけてしまった。
だけど、もう終わったんだと…
「侑希」
「んっ?」
沙羅は大きく息を吸い、気持ちを落ち着かせてから口を開いた。
「南都にフラれちゃった」
「うそ!!!!」
ガタンッと大きな音を立て、侑希は立ち上がる。
驚くのも無理はない。
あんな事があったあとだし…
「昨日家まで会いに行ったの。そしたら…」
「あのばかっ…!!!!」
眉をひそめてそう呟くと、突然駆け出した侑希。
「えっ?!どこ行っ……」
沙羅が引き留めようと席を立った時には、すでに教室に侑希の姿はなかった。
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