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「はぁ…」
沙羅は重く溜め息をつき、へなへなと崩れ落ちるようにその場に座り込んだ。
一体なんだったのだろう?
どうして名前を…?
今日初めて会ったはず…なのに、どうして?
考えても考えても、答えなんて見付からない。
疑問ばかりが浮かび上がって、頭の中がパンクしそうだ。
「誰なの…」
そう悩ましげに呟いた時、屋上の扉が再び開かれた。
「ごめん遅れたっ!」
申し訳なさそうに現れたのは侑希。
そして…
「ごめんついてきちゃったっ♪」
と、更にその後ろからひょこっと薫太が顔を出す。
どうやら侑希は薫太に捕まり、ここへ来るのが遅くなってしまったようだ。
「…どうかしたの?」
先ほどの男が気になりぼーっとする沙羅を、侑希は心配そうに覗き込んだ。
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