ⅩⅢ

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「そうっ♪たまにはいいでしょっ?」 いきなり何を言い出すのか。 南都の話から、どうしてそういう方向に…?? 「…いや?」 戸惑う沙羅の反応に、薫太はしょぼんとしてみせる。 まるで、捨て猫みたいな潤んだ瞳で… 「全然っ!!嫌じゃないよっ?」 そんな顔見せられて、嫌なんて言う人いないと思います。 これは薫太の最大の武器。 「やったぁ!!じゃあ決まりねっ♪」 一変して表情をぱぁっと明るくさせる薫太。 「俺行きたいとこあるんだーっ」 ニコニコとまさにご機嫌そのもので、食べ掛けのお弁当に再び手を伸ばす。 そんな薫太に沙羅も自然と笑顔になれた。 …だが次の瞬間、その表情はとても険しいものへと変わる。
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