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「な、なんでもないっ!それより…2人は知り合いだったの?」
侑希の言葉にはっと我に返り、沙羅は平静を装って尋ねた。
「和泉くんとは去年同じクラスだったの」
「うん。そんで侑希ちゃんに沙羅の居場所聞いたら、一緒にご飯食べるって言うんだもん…」
「捨て猫みたいな顔してたから拾ってきました」
侑希がクスクスと笑いながら言うと、薫太は少しだけ恥ずかしそうに頬を染める。
「えーっ!うそっ俺そんな顔してたぁっ?!」
「してたしてたっ」
なんとなく想像出来るかも。
薫太はいつも周りに誰かがいるから、1人に弱いんだよね。
…なんて。
昔を思い出していると、再び屋上の扉が静かに開いた。
3人が一斉に視線を移した先には、1人の男の姿が。
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