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「じゃーなっ♪負け犬ども」
振り返って捨て台詞を残すと、満足そうに沙羅を連れて走る南都。
「…行っちゃった」
「俺たち、負け犬…?」
残された3人は、キョトンとして顔を見合わせる。
「あははっ。俺たちは失恋組ってことか」
「なんかムカつくわね…」
そして、去っていく2人の後ろ姿を微笑ましく眺めていた。
「ねぇ、さっき薫太が言ってたこと…」
「内緒」
南都に連れて来られたのは、いつもの公園。
早速、沙羅は追求したのだが…
「いじわる…んっ」
塞がれる唇。
とろけそうに甘い感覚が、全身を駆け巡る。
…もう、過去の事なんてどっちでもいいか。
だって今は、あたしだけの南都だから。
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