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授業中。
水嶋は前髪をちょんっとゴムで結び、やる気満々っという感じで授業を受けている。
『顔は男前だが、いい噂は聞かない』
そう言われた水嶋は、確かにかっこいい。
茶色に所々金メッシュの入った柔らかそうな髪。
ぱっちりとした瞳と長い睫毛。
黒すぎず、白すぎずな健康的で綺麗な肌。
着崩した制服の胸元からは、シルバーのネックレスがきらきらと光っている。
「沙羅ちゃーん…そんな見つめられると照れるんですけど」
小声でそう呟き、水嶋は両手で顔を隠して照れたフリをする。
「ご、ごめんっ…」
沙羅はパッと目を反らし、恥ずかしさに俯いた。
なにしてんだろ。
ほとんど無意識で観察していたよう。
だけど…
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