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屋上での一件以来、沙羅は水嶋の事が気になって仕方がない。
何かが引っ掛かる…
ハッキリとは言えないけれど、とても大切な事を忘れている様な気分。
「あ、そういえば名前…」
どうして知っていたのだろう?
沙羅がもう一度目をやると、さっきまでのやる気はどこにいったのか…水嶋は机に顔を伏せてしまっていた。
もしかして寝てる?
…屋上でも寝てたのに。
すぅすぅと微かに寝息が聞こえてくる。
窓から吹き抜ける風で、額の上で結んだ髪の毛がゆらゆらと靡いていた。
…寝顔は可愛いんだ。
先ほどまでとは違う表情に、ほんの少しドキッとしてしまう。
起きたらいろいろ聞いてみようかな…
そう思ったのだが、授業中に水嶋が目を覚ますことはなく、そのまま休み時間になった。
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