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「それでは山下さんは小学ニ年生までこの街にいたんだね?」
「はい!そうなんです。だからその頃の友人に会えると思うと嬉しくてっ」
楽しみで仕方がない、とでも言うかのように満面の笑みで答える。
すると、担任の宮川先生もそれに釣られたのだろう…とても嬉しそうに笑う。
「そうか。高校生にもなればみんな変わっているだろうなぁ…。楽しみだな」
出逢いと別れの季節、春。
長い廊下を進んでいると、開け放たれた窓からは心地よい風が静かに吹き抜けていた。
「ここが君のクラスだよ」
宮川先生は2―Aと書かれた札のある教室で立ち止まり、扉に手を掛ける。
「私が先に行くから、呼んだら中に入ってきてくれ」
そう一言残し、颯爽と教室へと消えていった。
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