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「ねぇ。あの2人以外にも幼なじみっているの?」
侑希は次の授業で使う教科書を、ペラペラと捲る。
「あと南都も。まだどこのクラスか聞いてなくて、会ってないんだけど…」
南都。
ガキ大将?って言うのかな。
人気者で、常に遊びの中心にいる目立つ存在だった。
今も、きっとそうなんだろうな…
「……なつ?」
すると侑希は教科書を捲る手を止め、何故かぽかんと気の抜けたような顔をしている。
「二宮南都(ニノミヤナツ)。もしかして…知ってる??」
―ガタンッ!
沙羅の発言と同時に、隣の席でずっと寝ていた水嶋が起き上がり、教室を出て行った。
「沙羅、気付かないの?」
「えっ?」
…気付くって?
訳が分からず首を傾げる。
だが次の侑希の言葉を聞くと、沙羅は咄嗟に教室を飛び出していた。
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