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「ふぅ…」
不安と期待でいっぱいの胸に手をやり、まずは小さく深呼吸。
落ち着け…心臓…っ!
期待の方が大きいと言えども、こういう場面はやっぱり緊張する。
挨拶の言葉を頭の中で復唱していると、思いの外早く出番が回ってきた。
「山下さーん、入ってー」
宮川先生の合図。
ついにきた…
もう一度深呼吸をすると、意を決して扉を開けた。
それと同時にざわつき出した教室内を進み、黒板の前に立つ。
「今日からこの学校に通うことになりました。山下沙羅(ヤマシタサラ)です。よろしくお願いします」
ありきたりな挨拶のあと、ぺこりとお辞儀。
すると先ほどまでとは打って変わって、何故かしんと静まり返ってしまった。
突き刺さる視線。
…なんで?
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